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1日目
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1月13日(水) 初日からスコータイ遺跡見学

■ 深夜の出発
今日は典型的な冬型の気圧配置で、日中の気温も上がらず寒い1日だった。
1日も終わり、夜の9時前に自宅を出て関西空港へと向かう。
気温も夜になると更に下がり、震えながら電車を待つことになる。
今日乗る飛行機は、関空を深夜に出発するバンコク行きだ。
関空を0時30分に出発して早朝にバンコクに到着する便だ。
スワンナプームには、早朝の5時に到着予定である。
その後バンコクで乗り継いで、ピッサヌロークまで行く予定にしている。
実は、乗り継ぎ時間の問題(国内線に乗り継ぐには最低乗り継ぎ時間を下回っている)で、今回乗り継ぎ保証なしでチケットを発行してもらっている。
飛行機が遅れなければギリギリ乗り継げると予想したからだ。
最悪乗り継げなければ、バンコクからスコータイまでバスで行こうと考えていた。
今回の目的地であるピッサヌロークへ乗り継ぐ場合は、到着したスワンナプーム空港で、一旦入国手続きを行った後、預け荷物を受け取って、国内線のチェックインをしなければいけない。
バンコクには遅れずに到着することを願うよりない。

■ バンコク到着
冬である今の季節はジェット気流の関係でフライト時間が長くなる。
そのため、余裕の時間をみて到着時間を決めているのだろうと思われる。
飛行機は順調に飛び、バンコクのスワンナプーム空港には予定より約20分も早く到着した。
これなら乗り継ぎは問題ないだろう。少し気が楽になる。
まず、飛行機を降りてイミグレーションまでひたすら歩く。
これが意外と時間がかかる。ここは大きい空港なので歩く量も半端ではないのだ。
早足で歩き、イミグレーションに到着した。
入国審査は早朝のため人も少なくスムーズに済ますことが出来た。この時点で5時だ。
預け荷物も待ち時間なしでゲットでき、急いで4階の国内線チェックインカウンターへ向かう。
カウンターには手続きを待つ人が多く並んでいた。
結局チェックインができたのは出発の1時間前を切っていた。
結構スムーズに行けたのに、これでジャストの時間ということは、関空からの便が予定通りに着いていたのでは間に合わなかったかも分からない。
ともあれ難関クリアということで、滑り出しは上々だ。

■ ピッサヌロークまで
スワンナプームの国内線チェックインフロアは国際線と同じ4階フロアにある。
チェックインを済ませ、登場ゲートへと歩いていく。
この空港で国内線に乗り換えるのは初めてだったが、特に迷うことはなかった。
バンコクを6時10分に出発し、ピッサヌロークまでは1時間弱のフライトだ。
ピッサヌロークまでの便は、空き席が目立つ状態だった。
早朝のフライトなので、飛び立つときは真っ暗だったが、途中で朝日が出て明るくなった。
ピッサヌロークの空港はローカルな空港だと思っていたのだが、小綺麗な空港なのには驚いた。
ただ、利用者数は少なく空港内はひっそりとしていた。


■ スコータイを目指す
今回の旅で最初の目的地はスコータイだ。
ピッサヌローク空港へ来たのは、スコータイの最寄り空港であったからである。
スコータイにも小さな空港があるのだが、こちらはバンコク・エアウェイズ専用の空港で、一般的ではないようだ。
ピッサヌローク空港からスコータイへはどのようにして行けばよいのだろう?
空港で「スコータイまでバスで行きたい」と聞くと、
「空港からピッサヌロークのバスターミナルまでタクシーで行き、そこからスコータイ行きのバスに乗ってください」と言われた。
言われたとおり空港出口に停まっていたタクシーで、バスターミナルへ向かう。
タクシーは20分程でバスターミナルに到着した。
バスターミナルのチケット売り場でスコータイまでのチケットを買う。
目の前に停まっていた大型バスがスコータイ行きだと教えてもらい乗り込んだ。
おそらく普通バスだと思うが、エアコンが効いていて快適そうだ。
スコータイ行きは30分毎に出発するようだが、前の便が出発した直後だったようで長い間待たされた。
バスは8時にバスターミナルを出発し、町中の各停留所でも乗客を乗せている。
出発して町を出るまでの約15分は道路も混んでいたが、町を抜けると快適に走り出した。
バスは出発してから1時間、9時に終着であるスコータイのバスターミナルへ着いた。
ガイドブックを見るとバスターミナルから市街までは少し離れているようだった。
ここですかさず、ソンテオのおじさんが声をかけてきた。
周りにトゥクトゥクはいなく、一人で利用する場合はソンテオがトゥクトゥクの代わりを果たしていた。
初日でもあり、町の事情も分からなかったので、ソンテオで市街へ行ってもらうことにした。

スコータイのバスターミナルに到着した スコータイの街中を走るメイン道路

■ 今日の宿
この町で泊まろうと思っていたのは、日本人に人気があるTRゲストハウスだった。
しかし、行ってはみたが、残念ながら満室で断られてしまった。
ドライバーのおじさんが、近くに良い宿があるというので行ってみることにした。
部屋を見せてもらうと、コテージタイプで感じは良かったのだが、少し値段が高かったので、ここはパスすることにした。
今度は、ガイドブックに載っているリバー・ハウスというゲストハウスに行ってみた。
エアコン、ホットシャワー付きの部屋が400Bだったので、この宿に泊まることにした。
私が泊まった部屋は別棟として建つコテージ風のものだった。
部屋の扉を開けると宿の庭となっていて落ち着けそうだ。
この宿は、宿の名前からも分かるように、川べりに建っているゲストハウスだ。
しかし、横を流れるヨム川はお世辞にも綺麗と言えるものではないので景色を期待してはいけない。
早速チェックインを済ませ、夏用の服装に着替える。

■ スコータイの町
スコータイで有名なのはなんと言っても世界遺産にも指定されているスコータイ遺跡だ。
スコータイの町は遺跡群のある旧市街と、町の中心である宿や商業施設が多い新市街とに分かれている。
旧市街の近くにも宿はあるが、その数は少ない。
一般的に、こちらでスコータイと呼ぶ場合は、新市街を指します。
旧市街の方はムアン・カオと呼ばれていて、オールドタウンで通じる。
新市街と旧市街は14km程離れている。
私は町の中心である新市街で宿をとることにした。

■ これからの行動は・・
宿で町の地図と遺跡のガイド地図をもらい、遺跡への行き方などを聞いておく。
朝からの移動距離は多いのだが、まだ朝の9時半で観光がフルに行える時間だ。
日本を0時半に飛び立って、その朝に宿へチェックインしているのだから、なんだか不思議な気分だ。
なにより、気持ちの切りかえができていない。
だからといってじっとしている訳にも行かないので、今日はこれからスコータイ遺跡の観光をすることにした。

■ スコータイ遺跡へ
先述したように宿からスコータイ遺跡までは14km程離れている。
新市街からスコータイ遺跡へは、乗り合いのソンテオを使うと安く行けるらしい。
宿を出て、ソンテオの乗り場まで歩き、ムアン・カオ行きのソンテオに乗る。
この町を走るソンテオは大きいし、乗客も少ないのでゆったりと乗車ができた。
最近行った、ネパールのバスやミャンマーのピックアップトラックのことを考えれば、本当に楽ちんだ。
ソンテオは途中幾度か停車し、乗客の乗降を繰り返し約30分かけて旧市街のムアン・カオへ到着した。

何回かソンテオに乗りましたが、いつも空いていました
ソンテオ乗り場 この町を走るソンテオは意外と大きい

■ レンタサイクル
スコータイ遺跡公園は広大で、とてもじゃないけれど歩いて観光することはできない。
遺跡は1カ所に集中してある訳ではなく、城壁の内外全てを1日で見学する事はできないだろう。
点在する遺跡巡りをするのに手軽・便利で健康的なのが自転車だ。
ソンテオを降りたすぐ目の前がレンタサイクル屋だった。
宿で紹介してもらったレンタサイクル屋は1日で30Bと安いものだった。
今日は自転車で遺跡巡りをしよう!

スコータイ遺跡公園にあるレンタサイクル屋 カップルで訪れた観光客が自転車を並べて停めている

■ ワット・マハタート
城壁内のメインエントランスのチケット売り場で入場チケットを購入する。
入場料100Bと自転車乗り込み10Bで合計110Bだった。
このチケット売り場から一番近い遺跡が、ワット・マハタートである。
城壁内のほぼ中央部に位置し、スコータイで最も重要な王室寺院ということである。
この寺院は多くの増改築がなされていて、大小の台座の跡や石柱が境内のいたるところに残っていて訳が分からなくなっている。
高さ8mもの2体の大きな仏像が、石の柱に守られるように残っているのが目立つ。

蓮の咲く池から眺めるワット・マハタート
中心には大きなチェディが建つ 蓮の咲く池から眺めるワット・マハタート
すらりとした指の長さが特徴でもある
ブッダの坐像
この遺跡は増改築を繰り返したので多くの柱が残っている
高さ8mの仏像が見下ろしていた ブッダの弟子の像 多くの柱が残されている

■ ワット・シー・サワイ
宿でもらった観光地図の道順に沿って自転車を走らせる。
城壁内は緑も多く、気温が高い割には過ごしやすいような気がする。
同じ遺跡でも、アユタヤー遺跡は緑も少なく赤茶けたイメージがあるのだが、この遺跡では木々の木陰や池が多くみられる。
次にやってきたのが、ワット・シー・サワイだ。
もとはヒンドゥー教の神殿寺院として建立された後、仏教寺院になったらしい。
クメール様式の仏塔や、仏塔に施された彫刻は元々ヒンドゥー教の神殿であったことを物語っている。

ワット・シー・サワイの全景 クメール様式の仏塔が3基並んで建っている
境内に残るヨニはヒンドウ寺院だった頃の面影 ヒンドウ教の寺院だった頃の彫刻と思われる

■ ワット・トラパン・ングン
“銀の池”と呼ばれる池の西側に建つ寺院。
寺院は崩壊が進んで特にこれといったものではない。
池との調和する風景を楽しむ方が良いだろう。

ワット・トラパン・ングンに残されている仏像
チェディと仏像が残されている 池の中にある小島には礼拝堂の跡が残っている

■ ワット・スラ・シー
スコータイ城壁内には池や堀が多く、水と遺跡の調和がとれているように感じる。
ワット・スラ・シーも、大きな池の中に浮かぶ寺院で、橋を渡って境内へ入り見学することになる。

橋を渡って境内へ入る スリランカ様式の釣鐘型チェディ

■ その他遺跡公園の風景
この公園には多くの池があり、回りの緑とよく調和している。
城壁内は平らな地形なので自転車で走るのが楽である。
それでも昼の時間ともなれば気温も上がり、自転車をこいでいると汗ばんでくる。
ついつい直射日光を避けて走ってしまう。

緑が多く、自転車で走っていても苦にならない 所々にカラフルな花も咲いていた
池と遺跡とがうまく調和している 池の向こうに見えるのはワット・トラパン・ングン

■ 屋台で昼食
お腹が空いたので食事ができる場所を探していたら、遺跡の入り口近くに屋台が並ぶ一角を見つけた。
他にレストランもないようなので、ここで昼食にする事にした。
木陰にテーブルを並べ、屋台でのタイ料理を食べることができる。
グリーン・カレーとライス、ヌードル・スープと飲み物で100Bとリーズナブルだった。

■ ワット・プラ・パーイ・ルアン
お腹も満足し休憩もできたので、もう一頑張りして自転車を漕ぎ出すことにしよう。
午後は城壁の外、北側エリアを観てみようと思う。
最初にやってきたのがワット・プラ・パーイ・ルアンだ。
入場料はエリア毎に必要で、城壁外では北側、西側、南側と格別々に入場料が必要になる。
北側エリアも100Bだった。(自転車の場合は+10B)
重要な寺院ということだが崩壊が激しいので、私にとっては物足りなかった。

寺院は崩壊が激しく元の形を残していない 大きな仏像が残る

■ ワット・シー・チュム
ここは、スコータイを象徴する寺院で、ここにある仏像はスコータイ遺跡を紹介する場合必ず紹介されている。
入り口に向かって歩くと、壁の隙間から大きなアチャナ仏の顔が見えてくる。
このアチャナ仏のようにスコータイの仏像はみんな微笑んでいて、穏やかな顔をしている。
これは、ここを治めた王が“人々をまとめるために仏像を造った”ことで納得できる。
それに比べ、この後の時代にアユタヤーで造られた仏像は王が“自分の力を見せ付けるための道具”として造られている。
そのため、アユタヤーの仏像はスコータイのものに比べ微笑が消えているようだ。

寺院に近付くと壁の切れ目から仏像の顔が見えてくる 優しい表情のアチャナ仏
金のネイルを施してもらった仏像
訪れる人を優しく見守っているようだ 巨大な仏像だ 参拝者によって貼り付けられた金箔

■ 新市街へ戻る
遺跡は城壁の西側や南側にもあるのだが、今日はここらで遺跡見学を終えることにしよう。
朝からあちこち回って疲れてきたのだ。
自転車を返却して、目の前に停まっていたソンテオに乗り込み市街を目指す。
今日の睡眠時間は飛行機の中での4時間程度なので、かなりの睡眠不足状態だ。
それに暑い中でのサイクリングが加われば、疲れは最高潮に達する。
これにソンテオの心地よい揺れが加われば、眠くならない方がおかしい。
ソンテオに乗って数分で一気に意識が飛んでしまった。
目が覚めたときは、ソンテオが数台停まっている道路脇だった。
終着ということで、とりあえず車を降りた。
この時、頭はまだボ〜としている状態で、ここがどこなのかも全く考えていなかった。
促されるままにソンテオを降り、しばらくしてから、どうやら朝出発した所と様子が違うことに気付いた。
ここは一体何処だろう?
そこへ、別のソンテオが通りかかり声をかけてくる。
「町までは遠いよ、乗っていかないか!」
あれ、さっきのソンテオは市街行きの筈だったのに、ここは市街じゃなかったの!
言われるがまま、ソンテオに乗り込み市街へ向かう。
実際このソンテオの走った距離はかなりあったように思う。
あのまま歩いていたら、途中で倒れてしまっていたかもしれない。

■ 昼寝
短い睡眠時間に加え、日本との大きな気温差の中を自転車で走り回れば疲れは最高潮!
宿へ戻れば、体が暑い!疲れた!眠い!の三拍子。
とりあえずシャワーで汗を流す。
その後はエアコンの効いた部屋のベッドに倒れ込み状態だ。
あっという間に眠りについた。

■ 夕食
昼寝から目が覚めると、外は薄暗くなっていた。
街へ出てもする事がないので、夕食だけを摂りに街へ出た。
通りはレストランのような場所は見当たらず、あるのは屋台ばかりだった。
道路脇には夕方になると、たくさんの屋台が並びだす。
英語のメニューが置いてある一件の屋台で食事をとることにした。
タイ料理ばかりだったが、一品が25B〜30Bとリーズナブルだった。

【今日の主な出費】
項目 金額 
 タクシー (ピッサヌローク空港〜ピッサヌロークバスターミナル)  180B
 バス (ピッサヌローク〜スコータイ)  39B
 ソンテオ (スコータイバスターミナル〜スコータイ市街のゲストハウス)  60B
 乗り合いソンテオ (スコータイ市街〜スコータイ遺跡)  20B
 乗り合いソンテオ2回(スコータイ遺跡〜スコータイ市街)  30B
 レンタサイクル  30B
 遺跡入場料+自転車持込(城壁内)  110B
 遺跡入場料+自転車持込(城壁北部)  110B
 リバーハウスゲストハウス  400B

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