5月20日(金) イスタンブール:まずは観光の定番から
■ イスタンブール到着
13時間もの長い飛行時間のことを少し心配していたが、殆どの時間を居眠りしていたので、思ったほど長くは感じなかった。
朝の食事で機内が明るくなると共にゆっくりと目を覚ます。
関空を出発して13時間の間に、機内食は2回出された。
そして、朝食も済んで、お腹も落ち着いた朝の5時半にイスタンブールのアタチュクル空港に到着となった。
アジアの国々に入国する場合は、どこの国でも入出国カードが必要となり、入国ビザが必要な国もある。
しかしトルコに関しては、ビザどころか入出国書類すら必要ない。
イミグレーションでは、パスポートだけを提出するだけで、スタンプをポンと押してくれ、簡単に入国できる。
預け荷物も殆ど待ち時間なしで流れてきて、スムーズに外へ出ることができた。
■ 軍資金
トルコに限ったことではないが、『日本円から両替をするよりキャッシングの方がお徳である』と教えてもらった。
さらに、国際キャッシュカードで出金する時のレートより、クレジットカードでキャッシングする方がお徳らしい。
キャッシングは利息が発生するのだが、短期返済であれば、その金額は少ないとのことだった。
試しに、今回の旅行の必要資金は全てキャッシングで賄ってみようと思っている。
トルコでは、あちこちにATMがあるようなので、利用に関しては問題ないようだ。
早速、空港のATMでキャッシングを行ってみた。
この国の通貨はトルコリラである。
また、トルコリラに加えて、ユーロやUSドルがサブ通貨として多くの場所で利用できるようだ。
そのためか、金種にトルコリラ、ユーロ、USドルを選んで出金することができるATMの機械もあった。
ここでは、当面のトルコリラとユーロをキャッシングにてゲットした。
しかし、キャッシングの場合は、レートの感覚なくお金を引き出すので、1TLが一体何円なのかが分からない。
そこで両替所を覗いて、現在のトルコリラのレートを頭に入れておいた。
現在は、1トルコリラ=約51円で計算すればよいようだ。
■ 空港からホテルへ
ホテルのある旧市街のスルタンアフメッドまでは電車で行くことができるようだ。
先ず、メトロで空港からゼイティンブルヌ駅まで行き、路面電車に乗り換えてスルタンアフメッド駅へ行けば良いようだ。
空港のメトロ乗り場は案内表示の通り地下に行けば、メトロの乗り場があった。
電車に乗るには、ジェトンと呼ばれるコイン状の切符が必要になる。
ジェトンは1枚1.75TLで、区間に関係なく1回の乗車でジェトンが1枚必要になる。
早速、改札手前の販売機でジェトンを買う。
私の持っていた最少額のトルコ紙幣は20TL札だった。
何も考えず、20TL札を入れてジェトンを買うと、お釣りの18.25TLが全てコインで出てきた。
なんと、1TLコインが18枚と、50Kr、25Krコインが各1枚のお釣りとなった。
この1TLコインが重たくて、財布のコイン入れがパンパンになってしまった。
実際にはゼイティンブルヌ駅で路面電車に乗り換えるので、ジェトンを2枚買っておく。
切符であるジェトンを改札機に放り込めば改札を通過できる。
このとき、ジェトンは機械に回収されてしまう。
電車は日本の地下鉄と特に変わるところはない。
地下鉄に乗って始発の空港駅から5駅(約10分)でゼイティンブルヌ駅に到着した。
この駅で駅で、トラムヴァイと呼ばれる路面電車に乗り換えることになる。
既にもう1枚のジェトンを買っているので、トラムヴァイへの連絡改札機を通れば、乗りかえに掛かる時間は1分程度である。
カバタシュ行きのトラムヴァイに乗ってスルタンアフメッドを目指した。
30分程度で目的の駅に到着する筈なのだが、アナウンスが聞き取れず行き過ぎてしまった。
カタカナのアナウンスで、“スルタンアフメット” と言ってくれれば判るのだが、残念ながらアナウンスは “Sultanaahmet” だったので、聞き取れなかったようだ。
結果、2駅乗り過ごし、反対方向の電車で戻ることとなった。
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メトロ(地下鉄)に乗って空港からゼイテンブルヌへ |
トラムヴァイ(路面電車)に乗り換えて、スルタンアフメットへ |
■ 今日のホテル
イスタンブールで宿泊するホテルだけはネットで予約をしておいた。
小さな安宿はネットのホテル予約サイトでは取り扱いがなかったので、ガイドブックに紹介してあったホテルのメールアドレスに予約メールを入れた。
ただ、イスタンブールのホテルは何処もそれなりの値段であった。
当初、4,000〜5,000円程度のホテルがあるだろうと思っていたのだが、安い価格を提示している宿は何処も満室で、予約することができなかった。
仕方なく、アシュクンホテルに決めたのだが、1泊60ユーロという予想を上回る価格だった。
(場所的に猶予できれば、少しは安いホテルもあるようだが・・・・)
場所は、旧市街のスルタンアフメット地区に位置し、スルタンアフメット・ジャーミィやアヤソフィア博物館まで徒歩5分以内という、観光には便利な場所に建つホテルである。
宿が運営するWebページから地図を印刷して来ているので、地図を見ながら宿を探した。
ただ、スルタンアフメット・ジャーミィ近くの道路が現在改修工事の真っ最中で、回り道をする必要があった。
地図を見ながら、ホテルの位置を確認していると、後ろから歩いて来た人に話しかけられた。
「どこへ行くのですか?」
「アシュクンホテルへ行きます」と言うと、
ホテルの住所を見て、「それなら、あっちの方向だよ」と言って案内してくれた。
声をかけてくれたのは、近くにある展示施設へ出勤途中の青年だった。
彼は、片言の日本語が話せ、「日本語が話したいから、途中まで一緒に行こう」と言って、案内してくれた。
途中から行き先が違うようだったので、お礼を言って分かれたが、しょっぱなから親切な人に出会った。
事前情報では、観光客が多いこのあたりでは、怪しげな日本語で近寄り、高い絨毯を売りつけるなどの被害が多いようなので、そのことを頭に置いておかなければいけない。
それはさておき、親切な彼のおかげで迷うことなくホテルに到着することができた。
ホテルに付いたのが、朝の8時前だったので、まだ部屋には入れないかも知れないと思っていたのだが、幸い空き部屋もあり、チェックインをすることができた。
部屋は少し狭く、価格の割にお粗末だなあと感じたが、一応AC,TV、ホットシャワー付きで、機能的には問題ない。
朝食も付いているので、明日の朝食に関しては問題ないのだが、おやじさんは、「今朝も食べても良いよ」と言ってくれた。
早速お言葉に甘えて、朝食を食べることにした。
エレベーターで上がった屋上がレストランになっていて、ここで朝食を食べることができるようになっていた。
この屋上からは、スルタンアフメット・ジャーミィの姿がよく見える。
また、マルマラ海も見渡すことができた。
■ 初日の観光予定は?
ホテルへチェックインしたのが朝の8時頃なので、今日は1日フルに観光ができる。
先ずは、定番であるイスタンブールの観光名所をおさえておくことにしよう。
今日は、アヤソフィア博物館、トプカプ宮殿、そしてスルタンアフメット・ジャーミィを見学できれば良いと思っている。
この3箇所は、全てホテルからの徒歩圏内にある。
さあ、お腹も満足、体も絶好調ということで、観光の開始です。
■ アヤソフィア博物館
最初にやってきたのがアヤソフィア博物館である。
博物館と名は付くが、元はビザンツ帝国時代に建てられた聖堂である。
コンスタンティノープルが陥落した後ジャーミィとして変えられ、中の造りもそれに応じて作り変えられた。
現在はジャーミィとしては使われていなく、博物館として公開されているのである。
チケット売り場の周りは、朝早くから多くの入場客で賑わっていた。
入り口では持ち物のX線検査をしての入場となる。
入場後、早速建物の中に入り見学の開始である。
内部は薄暗く、大きな内部空間に見学者のざわめきが低く伝わってくる。
見所は直径31mもの大きなドーム、ドームに描かれたキリストのモザイク画、色とりどりのステンドグラス等、上を見上げるものばかりだ。
観光客は、誰もが立ち止まり、上を見上げている。
一通り見終えたら、階段で2階のギャラリーへ上がる。
2階から見下ろす建物内部の空間や、近くなった天井のモザイク画等を見て歩く。
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ステンドグラスが良い感じ!! |
キリストのモザイク画が残されている |
アヤソフィア博物館内部の様子 |
ステンドグラスが綺麗です |
2階のギャラリーからの見学 |
■ トプカプ宮殿
アヤソフィアを出て、その横に建つトプカプ宮殿へと向かう。
トプカプ宮殿はオスマン朝の宮殿であり、ボスポラス海峡を見下ろす丘の上に位置する。
大きな門を潜り、広い庭園を歩いた先にチケット売り場がある。
先ほどよりもさらに増えてきた観光客の列に並び入場する。
アヤソフィア同様手荷物のX線検査があり、カメラの三脚等も持ち込むことはできない。
私は一脚を持っていたが、持込禁止と言われ、入り口で預けなければいけなかった。
各区切られた部屋の多くには、秘宝が展示されている。
これらの展示物のきらびやかなことといったら、もうあまりにも豪華で、見るのが嫌になってきます。
70万uもの広い敷地の中をあちこちと見て回るだけでも大変です。
ベンチに座って休憩したり、海の見える景色を見渡したりしながら見学をした。
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トプカプ宮殿への入り口 |
宮殿の全景模型(高い建物ではない) |
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トプカプ宮殿にて |
トプカプ宮殿にて |
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宮殿内の素晴らしいタイル装飾にみんな釘付けだ |
宮殿内の素晴らしいタイル装飾 |
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部屋の天井までタイル装飾が施されている |
ドーム天井のタイル装飾 |
■ ハレム
ハーレム(ハレム)という言葉は、一人の男性が、多くの女性をはべらせている状態を意味します。
ここ、トプカプ宮殿においてハレムは、側室の女性たちの部屋があったエリアである。
一夫多妻の王が従えた、複数の妻たちが生活をしていた場所である。
このエリアにある部屋の装飾は素晴らしく、壁から天井にいたるまでの細かな装飾タイルを見ていると、クラクラしてきます。
宮殿内でもこのエリアは見所も多く、入場は別料金(20TL)になっている。
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ハレムにて |
ホハレムにて |
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さらにこちらは綺麗なステンドグラス |
ハレム室内天井の素晴らしいタイル装飾 |
■ チャー
日本でチャーと言えば、吉本の芸人が獅子舞を持ってするギャグだが、トルコでチャーと言えば紅茶のことである。
どこへ行っても「まあ、チャーでもどうぞ」と出される。
チャーは、日本で言う “お茶” と同じようなもので、一日に何杯も飲まれているようです。
時々「普通の紅茶が良いですか? それともアップルティが良いですか?」と聞かれたりする。
道を歩いていて店から呼び止められ、紅茶を飲みながら話をする場合も多い。
早速お土産を売る店の前で日本語で話しかけられた。
土産の販売を強要する様子がないので、出されたチャーを飲みながら、最近の日本の様子等の話をした。
この店主に近くのレストランを教えてもらって食事をした。
食事の後、レストランを出ようとすると、ウエイターが「近くに日本人女性と結婚した主人のやっている店がある」と言ってその店まで連れて行ってくれた。
この店の主人は日本語が上手く、チャーを飲みながら、トルコの観光について色々と教えてもらった。
ホテルや食事の相場価格や安い場所の情報は役にたつ。
少し長話になり、「チャーのおかわりどうですか?」と勧められた。
「いつでも寄って下さい」と言われ、快く別れた。
この後、同じように日本語で話しかけられ、チャーをご馳走になり色々な話をした。
今日は1日で一体何杯のチャーを飲んだことだろう。
声を掛けられるままにお話し、勧められるままにチャーを飲んでいると、お腹がチャプチャプ状態になってしまう。
■ 信用しても良い?
先述もしたが、街を歩いていると日本語で声をかけられる場合が多い。
明らかに不自然なアプローチは、完全に無視した。
観光地のATMでお金を下ろした直後に相手から近寄ってきた時等は・・・・勿論完全無視である。
観光客が多い場所で話しかけられ、挨拶そこそこに食事に行こうとか、店に行こう等のような展開になる場合も早々に断る方が良いだろう。
しかし、話の相手の店が分かっている場合等、相手を信用して良いのやら悪いのやら判断が付かない場合が多い。
お土産や絨毯等を売る店では、買ってもらうことを最終目的にしている。
話をしている時点では、どこの店も販売を強要知る様子はなった。
別れ際に、「店が終わってから一緒に食事にでも行きませんか?」等と誘われる。
これ以上深入りして、商品を買わされることになりはしないだろうか?・・と思ったりもする。
結局、安全策をとり、食事等のお誘いは全てお断りすることにした。
■ スルタンアフメット・ジャーミィ
ブルーモスクと言う名前で有名なこのジャーミィは、イスタンブールを代表する建物である。
青を基調とした2万枚以上の綺麗なイズニックタイルが使われていることから、この愛称が付いているようだ。
観光客は、正面のエントランスから入ることは出来ず、裏側にある観光客用の入り口から入ることになる。
入り口で靴を脱ぎ、靴をビニール袋に入れて建物の中へ入る。
広大な空間と、高い位置にあるドーム型の天井に圧倒される。
内部は薄暗いが、ステンドグラスから差し込む光は明るく、雰囲気が良い。
ここでは、隅っこの絨毯の床に座ってしばらく内部空間をゆっくりと眺めていた。
【参考金額】
項目 |
金額 |
メトロ(地下鉄)、トラムヴァイ(路面電車) 1回あたりの乗車 |
1.75 TL |
アヤソフィア博物館 入場料 |
20 TL |
トプカプ宮殿 入場料 |
20 TL |
ハレム 入場料 |
15 TL |
ホテル代(アシュクンホテル) |
60 Euro |