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Day 8
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10月22日(月) トレッキング5日目: デウラリ(3200m)〜アンナプルナB.C.(4130m)

■ 目覚め
6時に起床。
外へ出てみると、まだ夜が明けきっていない雰囲気だ。
夜は冷えるのだが、シュラフの上からブランケットを掛けたので暖かく眠ることができた。
寝床に入ったときは足が冷えて少し辛く感じるのだが、眠りに就く頃には体はポカポカ状態で快適に眠れた。
夜中に一度トイレに目覚めた時も、体全体が温まっていて心地よかった。
朝起きて歯を磨き顔を洗うのだが、今日の水道の水は手が痺れるくらい冷たかった。
それもそのはず、水場の近くには氷が張っていた。

■ 今日の予定
身支度をして7時から朝食。
いつものように、チャパティーとブラックティーである。

さて、今日の予定なのだが・・・
今日までは、宿泊場所については若干の前後はあったものの、大まかには予定通り歩いてきている。
さらにこれから、A.B.C.へと向かうのだが、今日はM.B.C.で宿泊するのか、それともA.B.C.まで行くのかを決めかねている。
ガイドの話だと、M.B.C.はたいしたことがないので、A.B.C.まで行った方が良いと言っている。
『M.B.C.、A.B.C.共に夜は強烈に寒いので、寒いところは1泊だけにした方が良いのではないか』というのが、ガイドの意見である。
ガイドの個人的な意見(寒いのが嫌)もあるだろうと思ったので、とりあえずM.B.C.まで行ってみてから判断することにした。
どちらにしても、今日はさらに高度を上げて4000m近くまで行くことになる。
高山病予防に、念のためダイアモックスを飲んでおいた。

今朝も雲ひとつない空だ。
この場所からは、アンナプルナやマチャプチャレを含む雪をたたえた山々を見ることはできない。
まだ外は寒く、手袋を履かないと、手がかじかむ。
さあ今日も、快食快便で絶好調だ。

ロッジの背後に迫る山々 デウラリから見える山々
ロッジの近くにあった滝 こちらも滝です

■ 出発
8時にロッジを出発する。
周りの景色は、これまでとは一変し、低木や草ばかりの高山の雰囲気となる。
まだ朝の早い時間で日が昇っていない。
昨日降ったであろう雪が残っている場所や、草に霜が下りて白くなっている場所もある。
水溜りには氷が張っている。
道は登り坂ばかりだが、そんなにきつくはない。
足場は良くない道である。
歩いているうちにマチャプチャレの頂上がチラホラと顔を見せ始めた。
10時前にならないと日がささないのだが、日がさしてくると一気に暖かくなる。
歩いていると、なおさら暖かいので、着ていたフリースのジャケットを脱いで、長袖Tシャツ一枚だけで歩くことになった。
同時に、防寒用にと被っていたフリース帽を、普通の帽子に変えてサングラスを掛ける。
サングラスを掛けないと、日差しが目に痛く感じるのだ。

A.B.C.を目指して歩くトレッカーたち モディ・コーラに沿って渓谷を歩く
マチャプチャレが近くに見えてきた 日陰には雪がこんなに残っていた
朝のうちは草に霜が下りていて、白くなっていた 道端で咲き遅れた花を見つけた
う〜ん 壮大な景色! 高山へやってきたという雰囲気です

■ 初めて出会う日本人年配者、お元気です!
トレッキングを始めて今日で5日目、初めて日本人トレッカーのグループに出会った。
年配の方々9人のツアーで、東京と名古屋からのグループとのことだった。
すれ違う形だったので、形式的な挨拶だけして分かれることになった。
年配の方々、メチャクチャ元気です!
もっと日本人の若い世代も来ているものと思っていたが、全然見かけません。

■ M.B.C. 到着
10時を過ぎた頃、M.B.C.に到着した。
今日、このM.B.C.で泊まるのか、それともA.B.C.まで行くのかを決める必要がある。

私が当初描いていた、このM.B.C.の展望は、もう少し多くの山々を眺めることができるものだった。
しかし、実際は少し違っていた。
マチャプチャレ・ベースキャンプと言う場所なのに、マチャプチャレの全体が見えるわけではない。
確かに近い場所で迫力のあるマチャプチャレを見ることができるのだが、上部だけを見ているような感じで、少し期待外れだった。
そこで今日は、M.B.C.には泊まらず、A.B.C.まで行くことにした。
まだ昼にもなっていないので、時間的にも充分余裕で行けるだろう。

M.B.C.に到着しました M.B.C.から眺める山々
マチャプチャレとその周りの山々 風で山の左側に雲が出来ているのが良く分かる

■ 昼食
少し早いがM.B.C.で昼食を摂ることにした。
ロッジの中庭で、マチャプチャレのトップを見上げながらの昼食だ。
日差しが強烈だったので、サングラスをしたままの食事である。

山々を見ながら昼食です まぶしい日差し

■ A.B.C. に向けて
昼食を終え、昼前にM.B.C.を出発しA.B.C.を目指す。
出発時には少し見えていたマチャプチャレも、あっと言う間に雲に隠れてしまった。
そのうち、空一面が雲に覆われ始め、日が遮られてしまう。
あたりがガスに覆われると、当然のように一気に気温が下がる。
再び帽子をフリース帽に変え、サングラスを外して歩くことになった。
M.B.C.を出発してしばらく急な坂道だったのだが、やがてアブレーションバレーと呼ばれるゆるやかな草原を歩くことになる。
この後もそうだが、A.B.C.までは、なだらかな坂道で歩きやすい。
小川を横に見ながら歩いていると、向かう方向にロッジが見えた。A.B.C.である。
これまでもそうなのだが、山を歩いていて、直ぐ近くに見えていても、歩くと意外と距離がある。
この場所もそれが当てはまり、ロッジが見えてから到着するまでかなり歩かなければいけなかった。

M.B.C.を振り返る 徐々にガスが出てきました
山がガスに覆われていく 昨日降った雪が白く残っていました
小川の横を歩きます 大きな石がゴロゴロしています

■ A.B.C. 到着
M.B.C.を出発して約2時間、午後2時前に、今回のトレッキングの目的地でもあるA.B.C.へ到着である。
ただ、A.B.C.到着時はあたりがガスに覆われていて、ヒマラヤの山々どころか、周辺の様子もはっきりと見えなかった。
従って、『到着時に絶景が待っている!』という雰囲気とはかけ離れていた。

やっと、A.B.C.に到着しました 山々はガスに覆われていて、見えません
A,B.C.に建つロッジ やっぱりガスがかかっています
アンナプルナで命を落とした人の碑 おや! 少し雲が晴れてきたぞ!

■ 今日の宿
今日の宿は、
このA.B.C.にはロッジが3軒しか建っていないので、当たり前のようにドミトリーの部屋になる。
部屋は8人部屋だったが、早く着いたので、まだ後の人は来ていない。
当然のことながら早い者勝ちで、使い勝手の良いベッドを確保しておいた。
これから夜に向けて寒くなるので、トレッキングタイツを脱いで、アンダータイツに履き替える。
上は、フリースとダウンジャケットを着て、ネックウウォーマー、手袋、フリース帽と万全の防寒対策をした。
ロッジの周辺はガスに覆われていて、外へ出る気がしなかったので、レストランで暖かいブラックティーを飲んで時間を過ごした。
最終的に8人部屋のこの部屋は6人が宿泊した。
男女混合の部屋で、一人の宿泊だけではなく、夫婦で泊まっている人もいたので、事前の予約なしだとプライベートルームに泊まるのは難しいのかも知れない。
ロッジの中のドミトリー部屋に泊まる人は、女性でもオープンである。
異性の人が部屋に居てようが気にせずに、下着姿になって着替えていた。

■ サンセット
5時前から徐々にガスが晴れてきたと思っていたら、雲も薄くなりマチャプチャレが顔を出した。
日が沈む前に、マチャプチャレが金色に輝く一瞬がある。
嬉しいことに、今日はそのサンセットを見ることができた。
気が付くと、アンナプルナの山々も雲の間から顔を出していた。

A.B.C.から眺めるマチャプチャレ 近くで見ると迫力があります
徐々に雲が晴れて・・・ マチャプチャレが、くっきりと見えてきました
ガンダルバチュリ(6428m) アンナプルナV(7555m)
アンナプルナ・サウスも顔を見せてくれた ロッジの窓に映ったマチャプチャレ
マチャプチャレのサンセット 日が沈む時、金色に輝く一瞬

■ 夕食
夕食はダイニングルームで6時から食べることになった。
宿泊客がみんなダイニングルームに集まってくる。
ダイニングルームにはストーブは無いのだが、テーブルの下にガスバーナーを置いてくれた。
そのため、足元が暖かくなり、思ったよりも暖かく過ごせることになった。
ダイニングルームが暖かいので、食後も寝るまでの時間を多くの人がここで過ごしているようだった。

■ 韓国人が多い
とにかくA.B.C.は韓国語が目立つところです。
いたるところでハングル文字を見かけます。
韓国の有名メーカーのコマーシャルポスターまでも目にします。
アンナプルナ・トレッキングルートで韓国人が多いのも理解できる。

■ 高山病について
3000mを超える高山で注意しなければいけないのが、高山病である。
高山病になると、初期状態で頭痛や吐き気のような症状が出てくるのだが、ひどい場合は肺水腫、最悪の場合は死に到る怖いものです。
今回のルートでは、そんなに高山の場所へ行かないので、あまり神経質になる必要がないのですが、頭の片隅には置いておく必要があります。
この高山病の予防としては、次の項目を守ることが大事とされています。
 ・ 1日で登るペースを500m以内にする。
 ・ 3日に1回は休憩する
 ・ 1日に3リットルの水を飲む
 ・ 飲酒、喫煙を控える
 ・ 昼寝をしない
この中で、 飲酒、喫煙を控えることや、昼寝をしないことは問題ないのだが、後の件に関しては中々できないのだ。
登るペースは、日程の関係であまりゆっくりもしていられない。
今日のように1日に1000m近く高度を上げる日もできてしまう。
水だって1日に3リットルも飲めと言われても、実際にはそんなに飲めるものではないのです。
食事の時、紅茶をたっぷり飲んだりと、できるだけ気をつけて行動するようにしたい。
私は、高山病の予防としてダイアモックスという薬を服用しました。
この薬は利尿効果があるようで、とにかくトイレが近くなります。
たくさんおしっこをして、たくさん水を飲むので、高山病の予防ができるのかもわかりません。

【旅程】
 デウラリ 〜 マチャプチャレB.C. 〜 アンナプルナB.C.

【参考金額】
項目 金額 
 フィルター・ウォーター 1L  110Rs

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