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3日目
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5月15日(木) 海抜1560mの町、サパへ着いた!

■ 寒い!
あまりの寒さで目が覚める。
列車の冷房が効きすぎなのだ。
天井の真ん中に冷気の噴出し口があり、2階のベットは冷気の直撃を受けるのだ。
今何時だろう? 暗くて時計の針も読めない。
2階席は長袖が正解のようだ。
体を丸めて薄い掛け布団を顔からスッポリと覆う。
しばらくして、列車の揺れと共に再び眠りについた。

■ ラオカイ到着
目覚めのコーヒーを売りに歩く車内販売の声で目が覚めた。
あまり深い眠りにはついていないが、断続的に寝ていたようだ。
列車の窓は既に明るくなっていた。
時計をみると朝の5時を少しまわっている。
そのうち車内が騒がしくなってきた。
みんなそろそろ起きだしたようだ。
6時少し前に列車は終着駅のラオカイへ到着した。
列車を降り、改札ホームへと進む。
少し肌寒い。
列車の長さがやたらと長く、その長さ分のホームがある。
そんな長いホームを歩いている間に目が覚めていく。

 

 

 

ラオカイ駅へ到着した  

■ サパへ
ラオカイ駅のホームで、サパ行きのミニバスチケットを売っていたので購入した。
ミニバスは列車の到着に合わせ発車しているようだ。
駅前に停まっていたミニバスに乗り込み出発を待つ。
ミニバスはハイルーフのワゴン車なので直ぐに定員になり6時にはラオカイを出発した。
バスは直ぐに山道に差し掛かり、カーブの多い坂道をサパを目指して走る。
ワゴン車なので満員の乗客を乗せて走るとかなり窮屈だ。
急な坂道に差し掛かるとギヤーを最低に入れないと進まない。
日本車だともっとトルクがあるだろうにと思う。
車は1時間弱でサパの町へ到着し、ある1軒のホテルの敷地へ入っていった。
しかし、ここは一体どこなのだろう?
ドライバーに目星を付けていたホテルの名前を言うと、「ここでは降りず車に乗っていろ」と言われた。
何人かの乗客と一緒にしばらく移動して乗っていた乗客が降ろされた。

■ 今日の宿
運転手に「お前の行きたいホテルはその角を曲がった突き当たりだ」と言われ、言われるままに歩いて行った。
そこには結構大きくて綺麗なホテルが建っていた。
「へ〜、いいんじゃな〜い」と、早速中へ入りフロントで値段を聞いた。
「一泊85ドルです。でもあなたのために80ドルまでディスカウントしますよ」
え、え、はちじゅうどる・・・・ 「すみません、さようなら」
どうやら、来たホテルを間違えたようだ。
こんなホテルに5泊もしたら、旅の予算を食い潰してしまうじゃないか!

このホテルを後にして、大きな荷物をゴロゴロと引っ張って歩いていると、ホテルの客引きが声をかけてくる。
その中の1人の女の子がクイーンホテルの客引きだった。
直ぐ近くだと言っている。
クイーンホテルは、“地球の歩き方”にも載っている比較的人気のあるホテルだ。
とりあえず部屋を見せてもらうために同行した。
「眺めの良い部屋がいいんだけれど」と言うと、4階と5階の谷側が眺めが良いらしい。
このホテルには、エレベーターはない。
増改築をして、ややこしくなった階段を上がっていき、5階の部屋が空いていたので見せてもらった。
なるほど、窓を全開にすれば、ベッドからも山々の眺めが楽しめる。
そんなに新しくはないホテルだが部屋は比較的清潔そうだ。
大きなベットが2つあり、広さも充分ある。ホットシャワーも付いている。
今の時期は使っていないが、部屋の隅には暖炉も完備されていた。
この部屋で1泊10ドルとのこと。山側の部屋は更に安かった。
気になる点は、5階まで上がるのが大変なことだけだ。
ただ、窓を全開にしてもどこからも部屋を見られないという開放感にはかえられない。
とりあえず、2泊ということでこの部屋に決定した。
チェックインはパスポートを預けるだけで極めてシンプル。
早速荷物を部屋に運び込み、ホッと一息だ。
まだ朝の8時にもなっていない。
こんな朝早くホテルへチェックインしたのは初めてだ。

サパで泊まったクイーンホテル 部屋からの眺め:絶景とまではいかないが・・・

■ 町の雰囲気
早速外歩き用の服装に着替え、ホテルを出る。
町のいたるところには、周辺に住む少数民族がたむろしていた。
自分たちの作った刺繍の入ったおみやげ物等を買って貰おうとやってきているのだ。
特に大きなホテルの前などは、沢山集まってきている。
殆どが黒モン族で、中にザオ族の人がチラホラといるようだった。
街を歩くと必ず、この少数民族の人たちから、“買ってくれ攻撃”を受けることになる。
後は、バイクタクシーからの客引きがうるさい。
何回も何回も声を掛けられると、鬱陶しくなってくる。
とりあえず、サパの街をひとまわりしてみよう。
市場周辺が一番賑わっているようなので、とりあえずサパマーケットを覗いてみた。
マーケットは、サパの町の中心に位置し、1階は肉、野菜、果物等食料品を主に売っている。
また2階は衣料品を売る店が多い。
特に買うものはないが、市場を覗くのは結構好きなので一通り見てまわる。
市場周辺にも多くのおみやげ物を売る屋台が店を出していて、この狭い町に対して店の数の多さに驚く。
きっと、この近くの村には市場がなく、少数民族の村からもここまで買いに来ているのだろう。
サパの町は歩いても30分あれば見てまわることのできる程度の大きさで、道に迷うことはない。

新鮮な野菜が売られています
果物いっぱい
サパ市場はいつも賑わっている 今の時期は果物が豊富だ
おみやげ物製作中:ザオ族 お土産物屋が並んでいる
ホテルまわりには、少数民族が集まってくる もちろん、レストランのまわりにも集まってくる
キラリと光る金歯はファッションのようです
観光客を見つけると、買ってくれ攻撃が・・・ 黒モン族の少女 キラリと光る金歯はファッションのようです
ザオ族の女性
ザオ族のおばあさん 黒モン族の女性 道端で縫い物中:黒モン族

■ カットカット村までのトレッキング
町も一通り歩いたことなので、少しトレッキングをしてみようと思う。
サパの近くにカットカット村がある。
距離的には4キロ程度なので、トレッキングに丁度いいだろう。
地図も何もないが、サパの市場を通り抜けて、真っ直ぐ行けばよいようだ。
分らなければ、誰かに聞けばいいだろう。
そういう訳でトレッキングを始めることにした。
途中にカットカットへの入村チケット売り場があり、ここでチケットを購入し、更に1本道を歩いていく。
道は、どこまで行っても1本道で迷うことはなかった。
同じようにトレッキングを楽しんでいるのだろうと思われるガイドを伴った旅行者をチラホラと見かける。
棚田が近くに見えるようになるとそこはカットカット村のようだ。
チケットのチェック場所から、歩道を谷へ向かって歩いて行く。
谷の下まで降りると、川が流れていて、橋を渡ると滝が現れた。
歩いて火照った体には、この水しぶきが心地よい涼を与えてくれる。

この場所で、昨日列車の中で一緒だったフランス人のおじさんから声を掛けられた。
おじさんは、ツアーでトレッキングをしているようで、ガイドに連れられ何人かと一緒に山の中へ入って行った。
そういえば、昨日列車で一緒だったフランス人カップルにもサパのマーケットで再会した。
「何処に泊まっているの?」程度の挨拶で分かれた。
サパの町は狭いもので、歩いていると同じ人に何度も出会う。

さて、滝のある場所で少し休憩が出来たので、トレッキングの再開だ。
カットカットの村を一周するように道があるので、その道を歩く。
今度は急な登り坂が延々と続く。
一人で歩くには心配なほど周りには誰もいない道だ。
時折村人が通りかかる程度で、民家は殆どない。
山を登りきったところから、今度は下り坂、麓には民家も見える。
麓まで歩くと、ここへ来たときとは別のチケットチェックゲートがあった。

カットカット村への入村チケット売り場 道を歩いていると、こんな場面にも・・
カットカット村の棚田 カットカット村に建つ家
村の女の子 村の男の子 村で出会った少女
川で回る水車を発見 山の斜面に建つ家
暑いときには嬉しい
山の中を道は続く
マイナスイオンで癒される 頑張るねえ! 危ないよ!

■ シンチャイ村へも行ってみよう
村の出口付近には、数台のバイクタクシーのおじさんが暇そうにしていた。
「町まで乗らないか?」
― 「いいよ、自分で歩くから」
「それじゃ、シンチャイ村に連れて行ってやるよ。どうだい?」
― 「シンチャイ村?」
「そう、ここから5kmのところにある村だ」
― 「じゃあ、その村へ行って、町まで戻れば幾らなの?」
「4$だ」
― 「おじさん、それは高いよ! まけてよ」
「ダメダメ」

観光客相手なので、値切っても全然応じてくれない。
結局、おじさんのペースに巻き込まれ、4$で利用することになった。

バイクに跨り、シンチャイの村へ向かう。
シンチャイはカットカットから5km程のところにある。
しばらく山道を走り、着いたのは村の入り口に建つシンチャイの小学校だった。
比較的少人数のクラスが数クラス程並んでいた。
今は授業中だったが、少しだけその様子を見せてもらった。
その後、ドライバーには待っていてもらい、シンチャイの村を歩いてひとまわりしてみた。
ここは特に珍しい風景もなかったので一通り村を歩いた後、サパの町までバイクで戻る。
モトバイのおじさんとはサパのマーケットで別れた。

シンチャイ村の小学校 シンチャイ村
そこら中を駆けまわっています
シンチャイ村の棚田 家畜はみんな放し飼い
小学校の授業の様子 村の子供たち 村の子供たち

■ 明日からの行動予定を組んでおこう
明日からの予定を埋めるため、ホテルロビーでツアーを探してみた。
このホテルは結構多くのツアーの扱いがあり、相談に乗ってくれるようだ。
ここサパではトレッキングが人気だ。
・・・と言うか、トレッキング以外にあまりすることがない。
先ず、明日のトレッキングのツアーだが、1人だけの申し込みの場合はプライベートツアーになってしまい高くつくようだ。
「明日も、明後日もトレッキングツアーに参加したい。但し高いのは嫌だよ」と提示してみた。
すると色々と考えてくれて、車の変わりにモトバイで移動することで提示があった。
明日は、マーチャ村とタフィン村を歩くトレッキング。
明後日はラオチャイとタヴァンを巡るトレッキング。
両方とも途中までの移動はモトバイを利用し、英語ガイドと一緒にまわるプライベートツアーである。
2日間合わせて32$。
モトバイ代、ガイド代、各村への入村代、昼食を含んだ料金なので、安いのではないだろうか。
この案で合意し申し込みする。
これで明日と明後日の予定が決まった。
その次の日は日曜日だ。
日曜日はバックハーマーケットへ行こうと決めていたので、同時にこのツアーにも申込んでおいた。
バックハーはサパから110kmも離れているので、ツアーを利用しないと簡単には行けない。
日曜日のバックハー行きツアーは定番なので、グループツアーを利用して12$だった。
これで明日から3日間の予定が決まったぞ。


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