5月18日(日) 美しき山の民、花モン族
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雨音
夜中、大きな雨音で目が覚めた。
私の泊まっている部屋は最上階なので、特によく響くのだ。
音の様子から察するとかなりの量の雨が降っているものと思われる。
朝までに止むだろうか?
てるてる坊主をぶら下げておけばよかったかな。
不安な気持ちを持ちながらも、再び夢の中へ・・・
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今日の予定
朝、目が覚めると窓の外は霧で真っ白だった。
雨もシトシトと降っているようだ。
昨日よりも更に悪いコンディションだ。
今日は、毎週日曜日に開かれるバックハーのマーケットを見学するツアーに参加する。
バックハーは、サパから110kmも離れた場所にある。
しかも、マーケットは午前中が主なので、今日は7時半出発となるのだ。
この天気、心配だなあ。
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久しぶりの日本語
ツアー出発時間の少し前にホテルのロビーへ下りた。
同じようにツアーに参加する人の中に日本人らしき年配のおじさんを見つけた。
「Where are you from?」
「From Japan」
「やはり、日本の方だった! おはようございます」
サパへ来て、初めて日本人に出会った。
この町へ来ている観光客はフランス人が圧倒的に多い。
日本人も訪れていると思っていたのだが、結局サパ滞在中に出会ったのは、このおじさんだけだった。
この後、ツアーバスの中でも、色々とお話して、いつもは退屈な移動時間を楽しく過ごすことができた。
このおじさん、既に70歳。(あまりお元気なので、おじさんとしておく)
一人で、中国から国境を越えてこの町へ来られたようだ。
勝手気ままな一人旅で1ヶ月位出かけることもあるらしい。
聞けば、世界各国、色々な場所への旅行経験のある方だった。
しかも、その目的は世界の海のダイビング。スキューバダイブは現役でプロ並み。
この年齢でこれだけ旺盛に行動が出来るなんて、なんてすばらしいのだろう。
このような、お元気な姿を見ていると羨ましい。
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バックハーへ
ミニバスは満員のツアー客を乗せ、サパの町を出発した。
ツアーガイドは、モン族のお姉さん。
何処で習ったのか、綺麗な発音の英語がペラペラだ。
「日本の歌を知っているよ」と言って、完璧な動揺歌を歌って聞かせてくれた。
少数民族の人でも、最近はこのように現金収入の多い職に付く人も出てきているようだ。
町で見かける少数民族の若い娘も、おもむろに携帯電話を取り出して電話しているところも見かける。
不思議な光景である。
これから向かうバックハーはサパから110kmの位置にある。
ラオカイを通り、そこから更に山道をひたすら走る。
ラオカイから先は、道の状態が悪くカーブの多い道が続く。
いたるところで、工事中や泥道でスタックして進めない車もみかける。
結局、バックハーの町に着いたら11時になっていた。
標高はサパよりかなり低いので、ムシムシして汗ばむくらいだ。
今は、心配した雨もあまり降っていない。
ここで車を降りて市場を自由に見学するらしい。
1時半に集合ということで、ツアー参加者は各々市場の中へ散っていった。
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花モン族
バックハーの周辺には、多くの花モン族が住んでいる。
この民族は、18世紀に中国南部から渡ってきた山岳民族である。
「こんな服で本当に生活しているの?」 と、驚かずにはいられない。
ベトナムの少数民族の中でも最もカラフルだといわれている。
その民族が日曜日のマーケットを目指して、遠くは20kmもの距離を歩いてやってくるらしい。
この日ばかりは、思いっきりオシャレをしてくるのだ。
バックハーの市場には、この花モン族の人であふれ、思わず目がチカチカ状態になってしまう。
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バックハー市場
バックハーの市場は、歩いてまわってもそんなに時間はかからない。
おみやげ物を売る店や、農作物を売り買いする姿を見て市場を歩く。
これは、写真を見ていただくのが一番だ。
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友達同士でお買い物 |
土産売りの女性 |
花モン族の少女 |
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ちょっと休憩 |
楽しい時間 |
目を引く色! |
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好物のサトウキビを買って帰ろう! |
帽子が似合っているよ |
花モン族の子供 |
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買い物は楽しい |
いかす帽子だね! |
親子・・かな? |
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え、え、4人乗り! |
少ないが他民族も見かける |
何族かは、分かりません |
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楽しいおしゃべりの時間 |
お母さんは買い物中だよ |
幼い顔つきだが、お母さんだ |
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花モン族のお宅訪問
1時半になり、再びツアーバスに乗って近くの村へ向かった。
この村は、花モン族の村で、その中の1軒にお邪魔する。
家の壁は、泥土でできている小さな家だった。
このあたりの気候は、わりと温暖なので、米も二毛作らしい。
食料も幾分か豊富にあるためか分からないが、人々の表情も明るいように感じられる。
それに比べ、サパの周辺では標高が高く、気温も低いので一毛作なのだ。
そのためか、サパ周辺の民族の顔には、苦労の跡が窺える気がする。
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花モン族の暮らす村 |
比較的小さな家だった |
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再びサパの町へ
村の散策を終え、バスに乗って一路ラオカイを目指す。
3時間程かけてラオカイ駅に到着した。
ここで、一部のメンバーと分かれる。
同行した日本人のおじさんとも、ここで別れることになった。
おじさんは、今日はラオカイに泊まり、明日の列車でハノイ方面へ向かうと言っていた。
サパの町に戻ってきた頃には既に日はすっかり沈んでいた。