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8日目
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5月20日(火) 昼食は中国で・・・

■ 今日の予定
今夜のラオカイ発ハノイ行きの夜行列車に乗る予定だ。
既にハノイで列車のチケットを買っている。
ラオカイを夜の8時15分発なので、今日1日は自由に行動できる。
サパの町もゆっくり滞在できたので思い残すことはない。
当初 、夕方にでもラオカイへ行こうと考えていたが、昼にサパを出発しようと思う。
ラオカイは中国と接する町なので、簡単に中国へ入国できるようだ。
昼食を食べに中国へ寄ってみるのも良いかもしれない。
ホテルのフロントで、昼12時のラオカイ行きのバスチケットをお願いしておいた。

■ 最後のトレッキング
8時にホテルを出る。
今日は先日とうって変わり良い天気だ。
それなら、午前中の散歩にでもと、カットカット村までトレッキングをすることに決めた。
カットカット村は、先日既に歩いているので、大体の距離感は分かっている。
3時間以内で歩ける範囲をトレッキングすれば、チェックアウトに間に合うだろう。
カットカット村は、サパから比較的近い村なので、訪れる観光客も多い。
そのため、歩道も綺麗にしてある。
村には、山の上を通る道や、川に沿った道があるので、好きなルートで歩けばよい。
先日は、遠回りの山のコースを歩いたので、今日は川に沿って歩こうと思う。
こちらの方が、距離的にも短くて、幾分か楽だと思う。
今日も、自然に囲まれた中を気持ちよく歩き、心地よい汗を流すことができた。

サパ市場からカットカット村へ向かう道 カットカット村の川の近くにある滝
カットカット村の小学校 綺麗に整備されたカットカット村の中を通る道
農作業の様子も見られる 村の子供たち

■ サパともお別れ
11時過ぎにホテルへ戻り、シャワーで汗を流す。
手早く荷物をまとめて出発の用意。
12時前にチェックアウト、宿代の清算をする。
すぐにラオカイ行きのミニバスが来たので乗り込む。
ミニバスは、何人かの乗客をピックアップし、満員の状態になりサパの町を後にした。

泊まっていたホテルの前に座り刺繍をしている黒モン族 少数民族ともお別れしなければいけない

■ ラオカイ
1時半頃、ミニバスはラオカイ駅に到着した。
サパに比べ暑い。
しかも湿度も高くムシムシとする暑さだ。
わずか1時間程の距離でこうも気候が違うとは驚きだ。
今夜の列車のチケットを、ラオカイ駅の近くのレストランで受け取ることになっている。
早速指定のレストランへ行ってみることにした。
チケットは、夕方にならないと渡せないと言われた。
「それじゃ、後で取りに来るから荷物を預っておいて」と言って預ってもらう。
このあたりは、計算通りだ。
これからレストランを後にして、中国へ向かおうと思う。
ラオカイ駅前にいたモトバイのドライバーにキエウ橋(中越友好橋)まで乗せてもらう。

■ 中国へ入国
ラオカイの鉄道駅から中越友好橋までは、バイクで5分程度で行ける。
まず、橋の手前にあるベトナムのイミグレーションの建物へ入り出国手続きを行う。
これは、いたって簡単。
ポンとスタンプを押してもらえばそれでおしまいだ。
そして、中越友好橋を歩いて渡る。
橋は100m弱と短いので、すぐに対岸に着いてしまう。
橋の中間が国境のはずだが、それを示すものは何もなかった。
橋の出口で中国の入国税を要求された。
「はい、1元払って」
― 「元を持っていないよ、べトナムドンではダメですか?」
「それでもいいよ、5,000ドンね」
1元=16円、5,000ドン=35円
きっと、このおじさんは自分で両替して、その差額を自分のポケットに入れているのだろう。
少ない金額だが、『チリも積もれば山となる』で、結構な小遣いになるのではないだろうか。
対岸へ着くと、今度は中国側のイミグレーションの建物へ入る。
ここでは、入国カードと、税関用の用紙に記入しなければいけない。
担当者に聞きながら、適当?に記入して、入国審査へ。
今、中国は色々な問題を抱え、入国審査も思ったより厳しくなっている。
パスポートに押されているスタンプを見て過去の渡航先を隅々までチェックするのだ。
問題のありそうな(中国から見て)国のスタンプがあれば、なかなか通してくれないらしい。
台湾のスタンプが多くても厳しくチェックされるらしい。
私はおそらく問題ないが、それでも「入国目的は何か?」、「いつ出国するのか?」、「仕事は何をしているのか?」と、色々聞かれた。
どうにか入国スタンプを押してもらいホッとする。
その後、X線検査で荷物を検査され、晴れて入国だ。
これで、やっと中国へ入国ができたぞ。
ここは中国雲南省の河口という町である。

ベトナム側のイミグレーション建物 ベトナム側の橋の袂に建つ門
中国側の橋の袂に建つ門 中国側のイミグレーション建物

■ 両替は何処で?
さて、『先立つものは金』、何をするのにもお金が必要だ。
中国の通貨である元を入手しなければいけない。
町をキョロキョロ見てみたが、両替屋らしき場所が見当たらない。
仕方がないので銀行に入ってみた。
「両替して欲しいのですが」というと、「できない」と言われる。
ホテルなら大丈夫かなと思い、少し大きなホテルへ入ってみた。
同じように、ここでも断られる。
ブラブラと歩いていると、道端に座ってベトナムドンの紙幣を数えているおばさんがいた。
近くへ行くと、なにやら「
両替しますよ」のようなことを言っている。
試しに、10万ドン(約700円)を渡すと42元に替えてくれた。
どうやら、このおばさんは闇の両替商のようだ。
小額なのでこの際、料率などどうでも良い。
要するに、元が手に入ればよいのだ。

■ 昼食
しばらく町を散策し、ベトナム側が見える南渓河の横に建つ1軒のレストランへ入ってみた。
まだ掃除中だったので、営業していないのかな?
声を掛けたが、英語の”え”の字も通じない。
こうなったら、ジェスチャーしかない。
食べる真似をすると、分かってくれたようで、席に案内してくれた。
さて問題はオーダーである。
国境の町なので少しは英語の表記があっても良いように思うのだが、期待は裏切られた。
漢字なのでなんとなく理解できるかな?
甘くはなかった。
例えば、鶏の調理だということは分かるのだけれど、どんな料理かまでは分からない。
こうなったら、あてずっぽうしかない。
メニューを指差して「これ下さい」 と言うと、
「○△◇・・・」 <お前、本当にこれを注文するのか?のようなことを言っている>
値段は30元、こちらでは少し高いようだ。 何を言っているのか分からない。
もしかしたら、「お前本当にお金持っているのか?」と言っているのかもしれない。
「OK分かった、じゃあ30元、前金で払う。いいから作ってくれ!」と30元を渡した。
待つことしばし・・・
出てきたのは鶏のスープ料理だった。
その鍋の大きさがすごい!
3人前位の大きな鍋に一杯。
それに合わせ、大量の付け合せやご飯等が運ばれてきた。
先ほど、なにやら言っていたのは、「あんた一人で食べられないよ!」と言っていたのかもしれない。
でも食べてびっくり、このスープの美味しいこと。
ご飯はそこそこにして、このスープ料理を半分以上平らげてしまった。
「ゲップ・・・」 これでお腹も満足だ。

レストランからはベトナム側がすぐそこに見えた 町のジュース屋。喫茶店と同じ雰囲気だった

■ 町を散策
せっかく中国へ来たのだから、街を見てみようと思いブラブラと歩き出す。
地図も何もないので、行くあてもない。
歩いて疲れたらジュース屋でマンゴジュースを飲み休憩し、また歩く。

河口の町。電気自動車も走っていた 思ったより清潔そうで綺麗だった
国鉄の河口駅 町の中の様子

■ ベトナムへ帰ってきた
河口の町を歩いても、何も観光場所はなかった。
見たいものも何もない。
国境の町なので、もう少し外国の観光客がいると思ったが、殆ど見かけない。
言葉がまったく通じないので、私にとっては少し辛い。
”トイレ”という言葉も通じず、恥ずかしながら、おしっこをするジェスチャーをして分かってもらったくらいだ。
男ならまだ良いが、女性の場合はどんなジェスチャーをすればいいのかな? などと、アホ なことを考える。
「筆談なら問題ないよ」という人もいるが、少しコツが必要に思う。
中国を旅するときは、”旅の指差し会話帳”が必須だなと感じた。

そんなことを考えながら、2時間と少しの滞在で中国を後にして、ベトナムへ帰ってきた。

国境に架かる鉄橋(中国側より) 国境に架かる鉄橋(ベトナム側より)

■ ラオカイの観光
まだ夕方まで時間的な余裕は充分ある。
少しラオカイの町を観光してみようと思う。
モイ・キエウ橋(中越友好橋)の袂に建つ寺院に入ってみた。(名前は分からない)
小さな中国風の寺院だった。
その後、聖陳祠という神社へも行ってみた。
訪れている人も少なく、ひっそりとしていた。
しかし、ここ以外に観光場所はないようだった。

モイ・キエウ橋の袂に建つ寺院 チャン・フン・ダオを祭るための神社である聖陳祠
聖陳祠の前にある公園は綺麗だった コックレウ地区との間に架かるコックレウ橋
ラオカイ鉄道駅 ラオカイ駅前付近の風景

■ レストランで
日も暮れたので、チケットを受け取りにレストランへ行ってみた。
「もう少し待ってください」と言われる。
その間、レストランで軽食を摂る事にした。
他にも同様に、このレストランで時間待ちをしていると思われる旅行者がいる。
”時間待ちの間に、幾らかでもお金を落としていって欲しい”
どうやら、レストランはこれが目的でチケット引渡しの業務をしているようだ。
結局チケットが手に入ったのは乗車の1時間程前だった。
レストランの思惑通り、時間つぶしで軽食に加えて、ドリンク2杯も注文することになってしまった。
でも、荷物を預ってもらったので安いものだ。

■ 旅行カバン
私は旅行カバンに、45リットル位のソフトタイプの四角いものを使っている。
底に車が2個付いていて、ゴロゴロと引っ張って歩けるものだ。
空港の荷物では一番良く見かけるタイプだろう。
列車の旅を考えると、バックパックというイメージがあるのだが、実際はどうなのだろう?
他の旅行者のカバンを観察すると、本当に様々である。
”こうでなければいけない”というような考えは、初めからない。
バックパックを背負った人も勿論いるが、大きなハンドバックの人、ハードのスーツケースの人も見かける。
少ない荷物の人もいれば、2個、3個の大きな荷物の人もいる。
本当にみんな色々で、そんなこと気にしないし、変だとは思わない。
まあ、自分がそれでよければ問題ないということのようだ。

■ 夜行列車でハノイへ向かう
今日の夜行列車は8時15分発のハノイ行きである。
列車はSP2、ソフト寝台、エアコン付、こちらへ来たときと同じタイプだ。
改札が始まるとともに、多くの乗客が列車に向かう。
列車は多くの客車を連結しているので、かなりの乗客を運べるようだ。
チケットを確認し、自分の車両に乗り込む。
今度のベットは下段だった。
今回は寒さに悩まされることはないだろう。
同室のメンバーは、マレーシアから来たという家族連れ3人組。
このマレーシア人たち、列車が発車すると同時に、みんなベットへ入り寝てしまった。
しばらくすると、彼らの高いびきが始まる。
そんなに早く眠れない私は、持参の単行本を読んで時間を過ごした。
おかげで、寝るまでに1冊読み終えてしまった。
しかし、当初思っていたより寝台列車の旅は快適だった。


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